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【前回のあらすじ】
(続き)
いや多分コレはあれなのだ。
煮込み過ぎたカレーのジャガイモのごとく、この牛丼も煮込み過ぎて肉も玉ねぎも溶けてしまい
完全なる液体となってしまったのだ。
そしてその溶けた液体がコメにかかっているのだ。
そう考えると目の前に出されたただの真っ白なコメも何かこう素晴らしいものに見えてきた。

「いただきます。」
私はおやっさんと農家の方々そして牛に感謝の気持ちを込めて言った。

一口、牛丼を食べる。
噛むごとに、噛むごとに、凝縮された肉と玉ねぎの味が、全然わいてこなかった。
コメである。私が食べているのは牛丼でもなんでもない純度100%のコメである。

なんだコレは。何なのだ。
おやっさんは何故このコメを牛丼と言って私に食べさせたのだろうか。
おやっさんはボケたのだろうか。
そうにちがいない。ただの白米をこうも自信満々に牛丼と言って出す人は正気ではない。
おやっさんはボケてしまったのだ。

私は残る白米を全部たいらげ、おやっさんにいった。
「牛丼おいしかったです。」
おやっさんが牛丼というならそれは牛丼なのだ。

おやっさんは満面の笑みを浮かべ言った。
「いやどっからどうみても牛丼じゃなくてただのコメだろ。馬鹿かお前は。」
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