前回のあらすじ

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【前回のあらすじ】
「へい!牛丼お待ち!」

牛丼が威勢のいい掛け声とともに私の前に出された。
いや、牛丼だと言っていいのだろうか。
目の前に出されたどんぶりには白米だけが存在しており肉は無かった。

「おやっさん、これは・・・」

牛丼を出してくれたおやっさんに、これはどういうことなのかと聞こうとした。
しかし聞けなかった。
おやっさんは腕を組み無言で遠くを見つめていた。

なんだコレは。何なのだ。

お前のような若造には肉などもったいないという意思の表れなのだろうか。
いや、違う。おやっさんはそんな卑屈な人間ではないはずだ。
では考えろ。この肉のない牛丼にはどのような意味が隠されているのだろうか。

もしかしてコメの下に肉が隠れているのだろうか。
淡い期待とともにコメをほじくり返す。
肉は、無い。
おやっさんは依然としてどこか遠い所を眺めている。

(続く)
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