前回のあらすじ

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【前回のあらすじ】
妻が死んだ。肺炎をこじらせて。
数十年連れ添った妻に先立たれた私は、もう魂が抜けたようだと当時の知り合いや親戚は言ったものだ。
私はしばらくの間、日なが一日ぼーっとしていた。
まだ妻が死んだという自覚が無く、今も隣に座ってお茶を飲んでいると思っていた。
しかし時の流れは残酷である。
数年たつと妻との思い出もだんだん薄れ去っていく。
私は記憶が薄れていくことともに妻が死んでしまったということを徐々に徐々に認めざるを得なかった。

妻の七回忌の時、私は庭に柿を植えた。
自分の中で妻との思い出を辿って行ったら、妻が柿が好きであったことを思い出したのだ。
桃栗3年柿8年とよく言うが実際には柿は約6年、品種改良されたものだと4年ぐらいらしい。
少なくとも私は4年、生きてみようと思った。
そして4年後、妻の仏前にその柿を供えるのだ。

私は柿を育てるのに私の時間のほとんどを費やした。

続く
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