前回のあらすじ

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 やりたくもない仕事をしていたらいつの間にか定時を迎えていた。
 私は誰にも呼び止められないようにこっそりと会社を出る。
 薄闇の空には満月。それはそこはかとなく赤く、まるで何かに赤面しているかのやうであった。

 ゲロ以下の臭いがぷんぷんするゴミ歩きスマホ糞野郎どもを速足で追い越し、呪いを掛けながら歩いていく。

 妻の待つ家まで後数百メートルの時である。
 母親に抱かれた子供が、私とすれ違いざまに、空に手を伸ばしてかう言った。

 「おちゅきさま、きれい」

 私はそれを聞いた瞬間、強い衝撃を受けた。
 失ったのだ、子供の様な純真さを。
 穢れたのだ、私の感受性というものは。

 月を見て「きれいだ」という感情は全く浮かばなかったのである。
 私は満月を見て、
 「満月と半ケツって似てるなあ、クソ妄想のネタにするか。マ◯毛でも可。」
 などと考えていたのである。

 私はもう子供のように満月を満月として見られない。
 私にとってそれは唯の半ケツなのである。

 私は恥ずかしくてその場にうずくまった。
 ふと空を見る。月は赤面して私を見下ろしていた。

 ああ、共感性羞恥。
 恥じているのだ、月も私を。
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今までの酩酊シリーズ
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