前回のあらすじ

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【前回のあらすじ】
「ああ、今日も元気にまぐわっているなあ。」

私は書斎の窓からまぐわい坂を眺めポツリ、つぶやいた。
まぐわい坂とは私の家の前にある坂の事である。
傾斜が5度ほどの緩い坂で、周りは木々や草で覆われている。
町の中心から少し離れたところにあるため、日中でも人通りは少なかった。
しかし今は、四六時中まぐわい坂には人が居る。
何故そんなことになったのか、それは坂の名前で自ずとわかるであろう。
アベックがこの坂で青姦をするのだ。
誰かが言うにはこの坂の緩やかな傾斜と草の柔らかなクッションが情事にちょうどよく、
また人通りが少ない(青姦をするカップルを除けば)ため、アベックが性交をするには
絶好の場所らしい。
朝の静かな時間なんかは喘ぎ声が坂の方からよく聞こえるときがある。
私はしょっちゅうその喘ぎ声で起こされるのだからたまったものではない、そう最初の頃は思っていたが今では目覚まし時計変わりである。

私は仕事が詰まった時はよくまぐわい坂を眺めるのだ。
人の性行為というものはアダルトビデオや雑誌で数えきれないくらい見たが、なぜだろう、
まぐわい坂での性行為はなにか私を引き付けるものがあった。
理性ある人間がまるで獣のようにまぐわっているように見えるのだ。
周りが草木しかないのがその光景を強調させているのだろうか。
理性なくした人間は私と同種では思えないように見えて、そう、まるで動物園で動物たちが交尾しているのを
不思議そうに見ている子供のような感情を私は抱いていた。

また時たま、理性ある人間の人間模様を垣間見るときも楽しい。
昨日は別の男とまぐわっていた女性がその翌日には違う男と青姦をしていた。
ああ、あの女は股が緩いのだな。まるで本当の動物の様だと、私は名も知らぬその女を批評したりした。
その翌日、女はまた別の男とまぐわっていたが右目に大きな痣を作っていた。
はて、あの女は何者なのだろうか。と突如出現したミステリに頭を悩ませた。(続く)
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