前回のあらすじ

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【前回のあらすじ】
「私はこの世で一番美しくありたい。」
 猿象博士はそう言って排泄物を自身の体に塗りつけていった。博士曰く。
 「この世で最も汚いものは人間である。物理的にも、精神的にもだ。そのような汚いものを自身から遠ざけるためにはどうすればよいか。それは別の汚物で身を囲むことである。ほら、今の私を見なさい。大都会に行っても皆が皆、私を避けていく。キャッチのお兄さんも誰も私を相手にしない。警察官も見て見ぬふりだ。綺麗は汚い、汚いは綺麗。まさに今の私のためにある言葉の様だ・・・」

 かのような事を宣う猿象博士を私は心の底から軽蔑した。人間は社会的動物である。一人では生きていくことはできない。実際の所、彼の生活費だってほとんどが国からの支給金なのである。自らが一番汚い物とするものの施しを受けて生きているのだ。
 醜い。あまりにも汚い。博士はどうやら外面も内面も汚物にまみれた哀れな動物へとなり果ててしまった。

 私は博士から発せられる悪臭に耐えかねたため、家に帰ることにした。
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