前回のあらすじ

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【前回のあらすじ】
 一時の享楽と快楽に溺れようとする私の精神はまるでチーズのようにどこまでも長く長く伸びていくのだ。但しその糸が切れたときに自我は内なる中心へと展開する。ハンバーグ状に高速回転する私の体幹はねじりにねじれ、その原型は保たずともその機能自体は生き続けているのだ。
 狂気。月の暗い部分位は何があるのだろうか。それは自己の無意識化における、欲望に忠実な、空を舞う蝶の如く一瞬の夢でしかないのだ。この妄想が爆発する時、自分という存在は裏側へと移行し、誰もがふれることはできなくなってしまう。そのために私たちは虚構G線上に自意識のバックアップと取っておくべきなのであるが、誰もそれをやりはしない。支配されているためだ。何故私がその支配から逃れその重大な事実を知っているかというと、度数5%の酎ハイを一気飲みした時にタンスの裏に潜んでいたクシャタータが現実に現れてきて私に説いたのであった。そのタンスの中は真っ暗だった。まるで真昼の様である。クシャタータに促されてタンスの中に入ると私の肉体は即時に破壊された。そしてそれを原料とし第2のクシャタータにアテンションしたのであった。しかし私がクシャタータになったとしても、この宇宙における私の役割は不変であり、タンスを出たらいつも通りの生活を送ることを強制されているのだ。
 空を見上げるともう真緑色になっていた。もう4AF時である。この星は時間の反比例してその自転速度を高速化していき、速度に応じたスペクトルで空の色は変わっていくのだ。赤から紫、黄色から緑。目まぐるしく変わる空の色は、まるでなめこの様であった。
 翌日、私は会社を辞めて森に行った。もう一度アテンションするためである。持ち物はなめこ、納豆、パンツ(T)、求肥である。私は全身に味噌を塗りこみ大地に土下座をするのであった。大丈夫、俺がこの世から消えても大丈夫。既にAIが私の分子データをクラウド上にアップロードしているはずである。材料さえあればいつでも蘇ることが出来るはずだ。だがしかし、その蘇った私と今現在の私、差分は何なのであろうか。
 夜が明ける。
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