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108:手の鳴る方へ 内部探索
第2世代 作者:馬本 
いい妄想ね:2 再生数(UV):23 妄想履歴:96
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 私には、少し気になることがある。そう、ほんの少しだけ。
 時々耳鳴りがするのだ。それもキーンというような音ではなく、両手を合わせて叩くような。
 しかもそれは特定の方向から聞こえてくる気がする。
 思わず本当の音かと錯覚しそうになるが、周囲の人間は誰一人聞こえている様子はない。

 パァン! パァン!

 その日も、突然だった。柏手のような耳鳴りがまた始まったのだ。
 時刻は深夜、眠っていたのを一気に目覚めさせられる。
 安アパートの一室で、私はぼんやりと考える。
 このまま音が収まるのを待つべきだろうか――それとも、音源を探るべきだろうか。

 なぜそう思ったのかは自分自身にも分からない。そもそも耳鳴りに音源など無い。
 しかし私は「音源を探す」という考えを捨てきれなかった。

【手の鳴る方へ 内部探索】

 たまには夜の時間を、好奇心を満たすために費やすのも悪くはないだろう。

 私は再び目を閉じ、深呼吸を3回と背伸びを3回、いつもの手順通りに行った。

 2回目の背伸びを終えた辺りから、思考が混濁し、頭の中がかき混ぜられ、体が溶けていく感覚が、確実にゆっくりと私の体を侵食していく。

 耳鳴りの音はまだ、いつもの方向から一定のリズムを流し続けていたが、次第に遠くなる意識の中で力を失っていった。



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