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057:ワイヤレスたかし


やあ、僕の名前はタカシ。
君はまだ有線なのかい?遅れているねえ。
僕はずっと前からワイヤレスなのさ。
意味が分からないって?そう、君らはまだわからないんだ。
知っている人はごくわずかだが、人間というのは見えない線で地面とつながっているんだ。
見えないだけさ。僕には見える。君の足から、腕から、頭から無数の線が地面と結びついている。
ああ、見ているだけで窮屈だ・・・。
君も早くワイヤレスになりなよ。
まずワイヤレスになるためには自ら電波を発信しなければならない。
世の中にはアルミホイルをかぶって有害な電波から脳を防ごうとしている人が居るが
それは間違いだよ。逆なんだ。自らの脳は電波を発信したがっている。
普通の人でさえ発信が難しいのにアルミホイルでさらに遮断してしまうのは、コレはいけない。
自らが電波を発信し始めたとき、体につながっている線は1本ずつ離れていくんだ。
全ての線が離れたとき、人はワイヤレスになる。
君はまだ赤子なんだよ。
まるで母体からへその緒で繋がれている様はまんま有線さ。
情けなくて笑ってしまう。
え?お前はベットで上で縛られているじゃないかって?
あ、本当だ。見た目上は君らと同じ有線だ。まいったね。
しかし違うんだ。心だよ。心さえが解き放たれているならば、肉体が有線だって
自らの存在はワイヤレスとなりうるのさ。
いいぞ、ワイヤレスは・・・。
君も早くワイヤレスになりなよ。
あれ?君どこ行ったんだい?
さっきまで目の前で話していたのに・・・。
そうか、君は肉体もワイヤレスになったんだね。
いいなあ、うらやましい。
僕も早くワイヤレスになりたいもんだ。

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