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054:夜だけ刑事


「○○さん、出番です。」

後輩が私を呼ぶ。私はため息とともに重い腰を上げ取調室へと入るのだった。

時間は夜の12時。
私は昼間の間は刑事でなく、普通の商社に勤めている。
しかしとある理由により夜の間だけ刑事になるのだ。
まあ公務員は副業禁止であるため、私は公務員ではない。アルバイトやお手伝いさんみたいなものだ。

取調室にはパッとしない40代ぐらいの男がいた。
事前に後輩から聞いた話によると先日、3人の女性を殺した通り魔の被疑者らしい。

「お前がやったんだろ?」

私は取調室に入ると同時に睨みつけながら男に向かって言った。
男は返事をしない。ただ私の顔を見つめてニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべている。
私はそれがとても腹ただしく、持っていた書類で思い切り男の頬をひっぱたいた。
大きい音を立てて男は椅子から転げ落ちる。
しかし依然と気色の悪い笑みを浮かべながら私を舐める様に見るのであった。
まるで視姦されているようだ。

1時間くらいたっただろうか。男は依然として何も言わない。
私はもう、この気色の悪い男にうんざりしていた。
そのときピリピリとけたたましい音が鳴った。タイマーの音だ。

「はい、お時間でーす。え?延長でプレイしたい?はい、わかりました。」

私はタイマーをセットしなおし、いやいや刑事に戻るのであった。



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