034:機械仕掛けの黄昏

「午後7時、ほら、もうすぐあそこの空が黄昏るよ」

彼の指さす方の空は、つい数秒前まで真昼のような明るさだったが
時計が7時を指した瞬間に日が落ち、薄暗くなってしまった。

「兄さん、やはりこんなのは慣れないわ。」

「仕方ないよ、俺の技術じゃこれが限界だよ。
やはり本物みたいに徐々に徐々に暗くなった方がいいかね?」

「そういう事じゃないわ。」

「まあこの町に不満があるのは分かるよ。
なるべく地球の環境と同じになるように諸々プログラミングしているが、
やはり細かい所が気になっちゃうか。」

「違うの。」

「じゃあ何が嫌なんだい?誰も人が居ない事かい?
それなら俺が明日にでもプログラミングして何人でも作ってあげるよ。」

「ちがう、そうじゃないのよ。」

「・・・・・・。」

「兄さん。早く、この町から、出して。」

町の空は今日も変わらず、午後7時に黄昏る。

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