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023:ちんちん


なんという事だろうか。
私の目の前にちんちんが浮かんでいるのだ。
色は私のナニよりは黒く、サイズも大きいから、多分ヤリチンではないだろうかというのが
私の見解である。
はて、このちんちんは何故ゆえに私の眼前に浮かんでいるのだろうか。
ふとボールペンでつついてみた。
ぴくぴくと動いた。カワユイ奴め。
私は調子に乗ってボールペンで何回も何回もつついたのであった。

しかし私は誤ってボールペンをそのちんちんの尿道へ突き刺してしまったのだ。
ちんちんは涙を流した。
涙を流したというのは私の主観的なものの見方であって、実際には尿道から血を吹き出したのだった。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

私は血を流しながら宙に浮かんでいるちんちんに詫びた。
ちんちんに耳は無いから謝るという行為には意味はないであろう。
この「詫びる」という行為はちんちんのためでなく、悪いことをした自分自身への
慰め、保身の意味合いが大きかったのではなかろうか。

ちんちんはなおも血の涙をその暗い洞穴から垂れ流していた。
私はちんちんの相手をするのに疲れたため、また面倒くさくなったため、
尿道に綿棒を突っ込んで放っておくことにした。


翌日、ちんちんは死んでいた。
死んでいたというのは正確な表現ではない。
生きてはいる、しかしちんちんとしては死んだのだ。
つまりEDである。
私の目の前にあるちんちんはちんちんでありながらもちんちんの一機能を果たすことができない
半端者のちんちんへとなり下がったのであった。

「ああ悲し」

私はうな垂れて宙を漂うちんちんに向かいつぶやいた。
私は何とかして治してあげたいと思いバイアグラを買ってきた。
しかしちんちんに口は無いのだ。
女性であれば下に口があるのだがちんちんにはないのであった。
ゴミと化したバイアグラを、私はもったいないと思ったので自分で飲んでみた。
効果は抜群である。
私の愚息は天へ天へと背を伸ばしていく春のつくしのやうに上を向いて伸びていくのであった。

私は2つの陰茎を見比べた。
1つは爆発寸前の風船のやうにエネルギーに満ち満ちている。
しかしもう1つは今にもしぼみそうな、いや、しぼんでしまった風船のやうである。

この対照的な2つを見ていると私は悲しいやうな悔しいやうな不思議な気持ちになって、
足元の小石を蹴飛ばしたのであった。
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