おい、窓の外を見ろよ。パンツが浮かんでいるぜ。ここは5階の高さだというのに窓の外にパンツが浮かんでいるんだ。一体全体、あれは誰のパンツなんだろうねぇ・・・。


 実のところ、あれは俺のパンツなのかもしれない。いや、そうじゃない。俺は今、ノーパンという訳ではない。お前だってパンツは複数枚持っているだろう?だからあそこに浮かんでいるのが俺のパンツだとしても、それは俺がノーパンであるということは導出されないのさ。

 ・・・いや、俺はノーパンなのかもしれない。いや、パンツは穿いているさ。そういう物理的な意味ではなく心理的に俺はパンツをはいていないのかもしれないのさ。


 今にして分かったよ。人はみんなノーパンなんだよ。俺も、お前も!俺らがよく行くコーヒーショップの可愛い店員も!そこの道行くおっさんも!そこの横断歩道を渡れずに困っているおばあさんもノーパンさ!そうだ!みんなノーパンなんだよ!心の!ノーパンなんだよ!

 皆が皆、恥部をさらけ出している!だが皆は恥じないのだ!なぜか!?恥部を恥部と思っていないからさ!自分の中の常識だけが正義と思い、それに則って生きているだろうが、それ即ちノーパンで生きていることと同義ではないのか!?

 そうだよ!あの宙に浮かぶパンツはそうだよ!本当の意味での「恥」を知ることができた人のみが視認できるどこへでも行ける切符なんじゃないか!?俺には見える!あれを穿くことで人間は恥を知らずに生きていくことができるのさ!

 俺はノーパンで!恥部をさらし続けて生きるのはゴメンだ!俺はパンツを穿くぞ!

 止めるな!たとえ5階の高さだろうと俺はパンツを取りに行くぞ!お前なんかには―――――――――